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映像化って難しい [劇場映画]

今日二回目だが明日から暫く更新できないので、もうひとつエントリを追加。

浅野忠信、二階堂ふみ主演の「私の男」。昨年2014年6月に全国ロードショーだったのでほとんどのところでは終わっているが、まだちらほら上映しているところがある。私が観たところは終わってしまったが劇場情報を見ると、まだ川崎や大森で上映予定がある。DVD/BDも2/3に発売予定になっている。


私の男 [DVD]

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原作は桜庭一樹の直木賞受賞作。これを読んでから映画館へ行った。


私の男 (文春文庫)

私の男 (文春文庫)

  • 作者: 桜庭 一樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/04/09
  • メディア: 文庫



以降、かなりネタバレあります。

まず最初に感じたのは「重かった」。「暗い」ではなく(実際、絵は暗めなんだけど)、やはり重い。そして何故かテンポがあまり良くなくて、その世界に没頭できない感じ。

映画では小説とは違って時間順に物語が進行する。最初は花が一人になった地震直後のシーン。父親に「生きろ」と言われて命を助けられた。迎えに来たのは養父となる淳悟。やがて本当の父親と知る。

時間順の進行は、映画の構成上、仕方なかったのだと思う。観ている人を混乱させられない。だが、小さな子供の心を確実に押しつぶす出来事と事実が先に提示され、それを前提に観るので、ああいう親子の関係になったことが必然過ぎて、それ以外の選択肢が見えない。だから重く感じたのだと思う。

小説では花が嫁に行くところから始まる。時間を遡りながら、異常な二人の関係が徐々に見えて来て、そしてその関係の理由がゆっくりと明かされる。最後まで辿り着くとその必然性が理解できるのだが、重さが全然違う。どうしてだろう?という疑問を持ちながら読み進めるので自然とページをめくるテンポも上がる。読んでいる時にはあまり感じなかったが、個人的には小説のアプローチの方が良いなぁと感じた。

それ以外にも、所々原作と違う部分がある。受付で声をかけて来た男と最後にレストランで横に座っている男が違うとか、田岡が持ってきたのがカメラではなくメガネだったり、あばら骨の、かちん…、ん…、という固い感触がなかったり。まぁ、気になるが、細かな演出の違いと言うしかない。

ただ一つ、腑に落ちなかったのが最後のシーン。レストランで二人で向かい合わせになって見つめ合うのだが、これはどう解釈すればよいのだろう。綺麗になった花は妖艶にそして自信たっぷりに淳悟を見つめる。さらにテーブルの下では足を絡めている。淳悟は捨てられる男のように懇願の眼差しで花を見つめ返している。少なくとも自分にはそう見えた。

制作上の都合で、そのあとアパートで二人が会うシーンやもぬけの殻になった部屋の前では小巻さんと言い争いをする場面を割愛するのは別に良いと思う。だが、小説の方でそこで描かれている淳悟や花の言動からは別の印象を受けていた。

この人から離れなきゃと考え、無理やり結婚までして家を出ようとする花。そんな花に「お前を愛しているのは俺だけだ」という言葉を躊躇なくかける淳悟。その言葉を聞き流せない。どうしても心が揺れてしまう。

式場では「おまえ、もう、俺を忘れろよ」と言われ動揺し、披露宴の前には「忘れるなよ」と言われ、当たり前じゃないと答える。自ら決めたにも関わらず、花は淳悟から離れる事実に折り合いがつけられていない。一方で淳悟は、ある確信を持って花の前から姿を消す。行き先も告げずに綺麗サッパリと。正直、淳悟の心の動きをあまり理解できていないのだが、これらから受ける印象からはあのラストのシーンには結びつかないんだよな…

本作は、概ね期待通りだったし、浅野さんも思ってたほど違和感なかった。ただ、良い原作だったし、それのエッセンスがどう映像表現されるのかなと期待していただけに、少し残念な気もする。二階堂さんは良かったかな。他の作品も観てみたいし、今後にも期待。

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