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魂のむき出し [DVD/BD]

2011年公開の平野勝之監督のドキュメンタリー映画。夜中に見始めて半分くらいで寝落ちし、続きを明け方に観た。





監督の平野さんとかつて恋愛関係にあったAV女優の林由美香。別れた後も友人関係にあったが、久しぶりに撮影を約束していたその日に彼女は自宅で事故死してしまう。彼女のお母さんと共にその第一発見者となり、その後、茫然自失の日々をおくる。その発見の過程の一部始終を撮影したビデオテープだけが残された。

その事故から5年後、テープは封印を解かれ、この映画の製作が始まる。平野監督はなぜか気乗りしないままに作業を続けるが、最後にその理由と自分の本当の気持ち、そして今自分がやらなければならないことに気がつく。

一言で言うと「壮絶」。重いテーマである以上に、まっすぐで不器用な平野監督のそのままが出ている。それは今に始まったことではなく、20年ほど前に撮られ、この映画の前半でも紹介されている「自転車不倫野宿ツアー 由美香」でも同じ。ラクしたりズルしたりすればいいのに、まっすぐにぶつかっていって壁にぶち当たり、そしてうまく超えられない。不器用過ぎる。だからこそ人の心を打つのだと思うけど。

自転車ツアーの最中に喧嘩し、その場面を映像に残すことができなかった。カメラを回せず、それを由美香に「監督失格」と言われた。それは死の現場でも同じ。図らずも床に置かれたビデオが回り続けたことで状況は記録されていたが、自ら撮ることはできず、「監督失格」と言われたと感じる。それがこの題名にもなっている。

当然そんな状況でカメラを回すことなんかできるはずもないが、あの状況で取り乱さずに現場保全と警察への連絡をする。一見不自然に見えるが、心が壊れるのを防ぐための防御反応が起きている。現実感覚が麻痺している。観ていて吐きそうになるくらいのリアリティ。

そのショックの大きさから監督自身はその状態が続き、その現実を受け入れられずに5年間が過ぎた。この映画の制作の過程でそれに気が付き、そして最後にそれを受け入れるための儀式を行う。

もう多分二度と観れないと思う。でもこういう作品が世の中に出ていて、それに出会うことが出来たのは良かったと思う。


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